サカナクション「アルクアラウンド」

アルクアラウンド(初回限定盤)

　オリコンウィークリーチャートで初登場３位をマーク。波に乗りにけり、サカナクションのニューシングル。

　昨年は最新アルバム「シンシロ」が長いスパンで話題になって、CDショップや、雑誌、ラジオ等々、とにかくそこここで一年中彼らの名前を聞いた。さらに年末にかけては「LIFE MUSIC AWARD」や「CDショップ大賞」など各種レースにもノミネートされて、いよいよ脂が乗ってきたなと思うやいなや、みるみる内に大成してしまいました。あっぱれ。

　そんなサカナクションが投下した最新シングル「アルクアラウンド」は、とっても彼ららしい、“丁寧に作り込まれた”印象のダンス・ロック歌謡。

　Pro Toolsのウィンドウ内にリージョンが重なっているのが見えてくるような几帳面な音の配置や、さながらハウスみたいに規則正しく音が抜き差しされてく曲の展開。　実はロックなんて呼ぶには小細工多すぎやしないかと思ったりもするんだけど、細かい事を払拭していくパワー・グルーブを、バンドがしっかり演出してて好印象。

　カップリングには、アコギが基調のフォーク風バラッド「スプーンと汗」、レイ・ハラカミの「ネイティブダンサー」リミックス、ライブ音源などを収録。まるでガチガチに作り込んだ「アルクアラウンド」で味わったストレスを解消してもらおうと言わんばかりのラインナップ。まぁ、足くずして。みたいな。親切だと思います。はい。

　さておき、勢いにのるサカナクション。３月１７日にはニューアルバム「KIKUUIKI」もリリース決定。さぁ、どこまで行くかな。