D.W.ニコルズ「春風」

春風

春風

 ソングライターわたなべだいすけ率いる男性2人女性2人のポップス・バンド、D.W.ニコルズのメジャー1stミニアルバム。

 メジャーデビューシングルとなった前作「マイライフストーリー」も耳なじみのいい良質ポップスだったけど、今作はさらにそのメロディ、アレンジ、歌詞に普遍性が増して、作為的に“売れ線”を狙ってきたなといった出来映え。

 “売れ線”なんて言い方をすると良く思わない人がいるかもしれないけど、彼らがやっているのはあくまでポップス。多くの人に届く事が目的の音楽だから、“売れ線”である事が一番正しいんだ。
 実際にほら、アルバム「春風」には、誰でも共感出来て、思わず涙ちょちょ切れちゃう程いい曲がたっぷり揃ってる。

 卒業なんていう超普通をテーマにした「春風」。奥田民生「息子」に並ぶ熱烈な親父愛を歌った「せがれ」など、個人的お気に入り曲も多数。
 この柔かで温かなポップネス、否、ポップスネスはなかなか狙って醸し出せるものじゃない。