10代に音楽を。

 私はラジオ局の人間なんですが、春以降の番組内容が話し合われる時期です。で、こんな所にこんな事を書くのもどうかと思いつつ、だいたいお察しの通りラジオって今結構シビアなんです。まぁ、こんなご時世なので、シビアなのはどこもシビアだと思うんですけど。
 で、春以降の話を進める中で一番残念だったのが、キー局で作ってる若者向けの番組がひとつ終了するんですね。その後枠には、どうやらミドル世代向けの音楽番組が埋め込まれるみたいなんですが。これがとても残念で。
 まぁ、「不景気、不景気」と言われている昨今、ひとつの大きな流れではあるんです。この流れは。少子高齢化が進む中、今後若者相手ではどんどん商売成り立たなくなっていきますからね。需要の絶対数が少ないので、若者は。シビアな中で商売するにはそういうシフトチェンジは勿論必要なんですが・・・。
 ただ頭では解ってるつもりなんですけど、やっぱり、いっちばん心の柔らかい10代にいいもの届けてあげたいですよね。いい音楽聞いてほしいし、いい映画見てほしいし、いい演劇見てほしいし、いい本読んでほしいし、いい漫画読んでほしいです。正直な所。精神論ですけどね。
 自分が、ラジオで音楽に出会って、ある種それが原動力でいまこうしてこんな仕事をしているって事もあって、しっかりそれを“繰り返したい”なと思ってるっていう。エゴかなって思う時もありますが。
 劣等感と焦燥感で弱りに弱って、もうなんだか越えられそうもない夜が来た時に、ラジオから馬鹿話しと最高の曲達が溢れてきて、気づいていたら窓が白んでた・・・って!なんかそんなのちゃんとやってあげたい。
 流行り廃りももの凄く早い世の中になっちゃったけど、10代の時に出会った音楽がいつまでたっても特別なのは、誰でも同じでしょ?いまでも心を軽くしてくれる曲っていっぱいある。それを、ちゃんと提供してあげたい。10代に音楽を・・・。