COLDPLAY「Viva La Vida Or Death And All His Friends」

コールドプレイ「Viva La Vida Or Death And All His Friends」を聞いた。ようやくしっかりと。・・プライベートで聞かなくても耳にしない日がなかったので、まぁいっかと思っていたらこんなにも時間が経ってしまったのでした。とはいえ、今年一番の話題作&ヒット作を聞いてないのはお話にならないので、じっくりと耳と頭を使って聞いてみる事に。

正直先行シングルの「ヴァイオレット・ヒル」を聞いた時には、その地味さに死にそうになりました。マジかよと。前作「X&Y」が名シングルの宝箱だっただけに、あまりにシングルのパンチが弱すぎるぞと。ちょっとちょっと〜・・ファン見くびってるでしょ!明らかに変な方向に針が振れちゃってるでしょ!と。
しかし間もなく「ポップ+キャッチー+美メロ+iPod」の黄金式をイコールした「ヴァイヴァ・ラ・ヴィダ(美しき生命)」が生まれると、僕と同じ様に声を荒げていたファンは黙って前言撤回をする訳です。そしてこう言う訳です。「これは期待できるぞ!」と。(笑)

そんなサクセスもありつつ?届けられた今回の「Viva La Vida Or Death And All His Friends」。
レコードを回しはじめると聞こえてくる「ライフ・イン・テクニカラー」。ふつふつと闘争心が燃えるようなそのイントロソングは、さながら「ヨシュア・トゥリー」のはじまりを告げる「ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネイム」のよう。ゆっくりとフェード・インしてくる旋律が、心の底から沸いてくるアルバムへの期待感とピッタリとシンクロ!なんてロマンチックで、至福の瞬間!
CDとかアルバムとかってのが流行らない世の中だけど、雑誌とか見ながらアルバムの想像巡らせて、店着日にCD買って、勇み足で家に帰って、爪かなんかで雑に封を切って、全身全霊の期待感をもって再生したアルバムからこんなイントロが聞こえてきたら・・!きっとこの瞬間の喜びを知ってしまったから、いまだにCD買うし、音楽聞くんだよねきっと。

そして突入していくアルバム本編。アンビエントな質感を取り入れつつも、アンダーグラウンドな雰囲気に1ミリも触れられていないし、インディー感がこれっぽっちもないのが笑える。むしろ俗っぽい。・・っていうのは逆を言えば、斬新なサウンド・アプローチの割にポピュラリティーが保たれている。そのバランス感がいいよね。

「ヴァイオレット・ヒル」の地味さを抜けば(まだ言う)、日本のライトリスナーにだって通用する普遍的なメロディ・センスは相変わらず。「イン・マイ・プレイス」をもう一度・・といった感じの「ストロベリー・スウィング」のような、甘々陶酔ソングもグッド。

最近はジェイZやカニエとつるんだりしているせいか、セレブリティなイメージしかないクリス・マーティンだけど、やる時はやってくれる。このアルバムを聞いてそう信じる事にしましたんで、次もどうぞよろしく!

美しき生命 【初回限定盤】

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