KREVA「赤」

 フローが変わった。と言うか、声色が変わった?前作「青」から、すごく優しくてまろやかな音域がKREVAのヴォーカルの新しい魅力としてさりげなく加わっていると思う。

 KICK THE CAN CREW時代もソロになってからも、どこか「どろ臭い」ラップが持ち味だと思っていたけど、いつのまにかこんなに落ち着き払ってクール決め込むこのスタイルを確立して、でもリリックは熱烈ラブソングで。いいねぇ。これを「円熟」と呼ばずに何と呼ぶ。

 君と出会った瞬間言葉を失う・・そんなとある男のロマンチックな刹那の物語を描いたメイントラック「瞬間speechless」。「こんなに全編フィクションな歌詞はこれまでにないです。」とは本人談。

 ヒップ・ホップだったらノンフィクション=リアルじゃなきゃ!なんてポリシーがラッパー達の中に潜在的にあるのかないのか・・、その辺はよく解らないにしても、僕はこのフィクションに大賛成。もっといろんなドラマを見せてほしいなぁと思う。

 またカップリングはオートチューンのヘロヘロボイスとテクノポップサウンドをフィーチャーしたYMOカバー「君に、胸キュン」。これもいい味出してる。これは、買い。

赤(初回限定盤)(DVD付)

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 KREVA全面プロデュース、SONOMI「SUMMER」も超夏らしいナイス・ソング。

SUMMER(初回限定盤)(DVD付)

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