マイケル・ジャクソン

shirota_k2009-06-26


 金曜日は朝の情報番組を担当していますが、突然の訃報に驚きました。

 朝6時半頃、共同通信社のニュース配信端末にロサンゼルス・タイムズの報道として「スマイケル・ジャクソンが救急搬送された」という内容の記事が飛び込んで来て、間もなく(7時過ぎた位だったかな)今度はロイター通信の報道として「死去」という記事が。

 海の向こうで起こっている事なので、速報の段階であおり立てて万一誤報であってはいけないと配慮を起きつつ慎重に取り上げさせてもらいましたが、昼前には続報が次々届き信憑性が増して行ったのでした。

 何年も表立った活動が無く、話題といったらゴシップが大半で真相がつかみずらいアーティストだったので、いまも何かの冗談だと思っているファンは少なくないかと思います。


 僕は田舎育ちの音楽好きなので、いまの業界に足を踏み入れたとき、最初に越えなきゃいけない壁は洋楽ポップスでした。

 洋楽ポップスの知識ってほとんど皆無で、ましてや80‘s以前のモノに関しては、リアルタイムでもないし、有名アーティストを覚えるのにも四苦八苦しました。

 名古屋の局で制作アシスタントにつかせてもらって、ディレクターの選曲を参考にしたり、中古屋でコンピを買ったり。なんとか知識力で追いつこうと、多少なりとも勉強しました。


 マイケル・ジャクソンと言えば80‘sポップスシーンの最たるアーティストで、そんな名古屋の局で一度特集を組んだ事を覚えています。

 取り上げたのは「スリラー」。
 皆まで言うなの大名盤で、ワールドセールスは1億枚以上。MTVの最盛期に花を添え、全世界で旋風を巻き起こした歴史的マスター・ピース。不同の人気を誇っているアルバムです。


 そんな情報を集めるお仕事をしながら、「へぇ凄いなぁ」なんて関心しながら、同時にMTVや、グラミー・アワードといったキーワードをひとつずつ頭に入れて行った記憶があります。


 ポップスを語る上でさけて通れないマイケル・ジャクソン

 前述した通り、僕はリアルタイムで彼の活躍を見て来ていませんが、各方面で言われている「彼以上の存在は二度と現れない」という言葉に賛同します。


 いまコンピューター用語になぞらえて、例えばロックだったり、ポップだったり、ジャンルに殉じたわかりやすい音楽や振る舞いをするアーティストを「アイコン」などと呼びますが、「ポップ・アイコン」として誰もが思い描くアーティスト、それは彼を置いて他にないように思います。と、いうか、彼を超越するアーティストはまだシーンに現れていないように思います。

 またエンターテインメント音楽という観点に置いても、彼以上の圧倒的存在は現れていないんじゃないでしょうか。


 幼少期からショービズ界で名を馳せ、その後、音楽、パフォーマンスも、プライベートも、すべてが世界に目を見張られながらの生涯。

 下世話もたくさんあって、決して輝いてばかりの芸能史ではなかったけれど、ただ、良い悪いは別として、誰もがその全ての話題を、ひとつのエンターテインメントとして消費していました。


 消費され続けた生涯。

 それは僕たち一般人が取って代わるには到底耐えきれない悲劇だと思うけど、マイケル・ジャクソンはそのポジションを全うしたんだなと思います。


 世界に干渉され続けた男、その末路。

 何度も言うけれど、「良い悪いは別」として、そして「本人が望んでいたか」は別として、最後までエンターテナーであった彼の壮絶な最後を見たな。という感じです。


 「誰か」のためにあるのが、ポップの正しいあり方だと思っています。
 「僕」や「僕たち」ではなく、「君たち」を思って捧げられた歌が、ポップの正しいありかただと思っています。

 だとすれば、「キング・オブ・ポップ」。その称号は、まだ当分彼の下にあり続けると思います。