REDIOHEAD「THE BEST OF」

shirota_k2008-06-10

洋楽原体験はレディオヘッドだったかもしれない。バイトしてCDを買うのが趣味みたいになものだった高校時代に、自分の中でまるっきり洋楽への興味が開花しない事に劣等感を覚えて、とある邦楽バンドのライナーに書かれていた彼らのCDを手に取ったのがはじまり。
手に取ったのは「KID A」。バンドはとっくにスターダムにいて、妙に神格化された雰囲気だったので一瞬尻込みした。けど、冴えないモテないつまらない当時の生活と、心底まっくらな部屋のCDデッキに、そのサウンドは嫌に良く似合ったのだった。
「レディヘを聞く」って言うのは、当時も今も、ポカーンッとハートに開いた虚空をじっくり確かめる作業のようなものである。気色悪いと言われようが何と言われようが、僕にとってのレディヘは夜の強い味方だった。そうさ、ロックが最もよく栄(は)えるのは夜なんだって知ってた?それも暗くて真っ暗でひとりの夜。フェスで頭ふって楽しむロックもいいけど、そもそもロックは僕らが夜を越すための音楽なんだ!
・・って横道にそれつつ、レディオヘッドのベストアルバムを聞いた。
レコードレーベルを退き、近頃は自由気ままにネットで音楽するレディオヘッド(ちゃんと商売してよ!)。レーベル側としも、ベスト位出させてくれないという意向は勿論あったでしょう。
でも、正直ベストなので名曲いっぱい!とか期待しても何も出て来ません。彼らの場合いくらベストとは言え、例えば車に1枚置いておけば海でも山でもオールOK!な、所謂そういったベストアルバムには当然ならない訳で・・。それぞれ世界観を持ったアルバム達の面影がちらちらと垣間見えるダイジェストCDといった印象になっています。だから、はじめて聞くならオリジナルアルバムをおすすめします。より本質に触れられるのはそっちなので。
ただ、こうして数々の曲をズラリと並びで聞いてみて、やはり頭角を現すのが「クリープ」だったり「ハイ・アンド・ドライ」だったりっていう激美メロソング。別にバンドとしては求めてないんだろうけど、こういった”入れる箱が違っても輝ける曲”が、今後ももっともっと聞けたらなって、少し思いました。レディオヘッド、また僕らの冴えない夜を支えてよ!

ザ・ベスト・オブ(2CDエディション)

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