口ロロ「TONIGHT」他

口ロロ「TONIGHT」。

メンバー脱退を経てのリリースとなった通算5枚目。まるでとある一夜の出来事をパッケージしたかのような、夜更けから夜明けまでの風景がデザインされたコンセプチュアルなアルバム。
名作「GOLDEN LOVE」の型破りさや派手さを思うと、シャープにまとまっていて物足りなさも感じる。ポップ、ロック、エレクトロニカ、ヒップホップ、フォーク・・相変わらずサウンドは散漫としているけれど、なんだかどの曲も行儀良く聞こえてしまう。エレクトロニカならエレクトロニカ、ヒップホップならヒップホップを、行儀良くやりました。といった感じ。
いまだにこれを「この情報量が凄い」とか、「雑食なのに最終的にポップに落とし込む辺りが・・」といった感じで評されても、口ロロっていっちばん初めからそうじゃないか。なにを今更。いろんな音楽を噛み砕いて噛み砕いてたら・・違う味になった!っていう味の向こう側を感じたのは、前作の方が圧倒的。

TONIGHT

TONIGHT

上松秀実「Dear My Friend/トラウマ」。

1986年生まれ、山羊座のB型。両親ともに郷土芸能を受け継ぐ家系に育ち、常に歌と踊りに接する。
15歳の時に歌手の道を志し、数々のオーディションに参加。20歳の頃、自分の世界を確立する為、友人、友人の紹介、ソーシャルネットワークなどあらゆる術を使って、自分を理解してくれるトラック・メーカーを探し今に至る。
ルックスはギャルだが、実直でリアリティのある歌詞の世界が話題になっている。ロッキング・オン・ジャパン誌面において、山崎洋一郎氏の大推薦を受けている事でもお馴染み。

「世界を変える」、「音楽シーンに一石を投じる」。大層なコピーが踊っている。

どうやら彼女には、ここ数年空席となっている”カリスマ”の席が渡されようとしている。日本のポップ界にも、ロック界にも、カリスマ性のあるミュージシャンがここ数年とんと生まれていない。そんな事に躍起になった大人達が、必至で後継人選びをした結果登場したのが彼女だ。彼女が若い世代の心の奥底を揺さぶる音楽アーティストになってくれたら・・。そんな皆(誰?)の夢がたっぷり詰まっている。

カリスマは絶対必要。いつの時代だって、絶対必要。
プレスリーでもいいし、石原裕次郎でもいいし、ジョン・レノンでも甲本ヒロトでも、降谷健志でも、安室ちゃんやあゆだっていいし、なんだっていいけど・・メインストリームのど真ん中で、真面目に音楽で夢見させてくれるスターって絶対必要。
でもそんなスターって2000年代に入って、見なくない?誰も引き受けてくれてなくない?その席を。なんだかスター不在じゃないですか。全体的に。見てみたいのに!新世代のカリスマ。

・・っていう、とっても無責任で嫌らしい思いから、一票投じておきたい上松秀実。今は、加藤ミリヤに毛が生えたくらいにしか思えないけど。カルマを背負った彼女が今後何を見せてくれるのか、そこに期待したい。(ホント無責任で嫌な大人。何様なのいったい。)

Dear My Friends/トラウマ

Dear My Friends/トラウマ