リリー・アレン「イッツ・ノット・ミー、イッツ・ユー」

イッツ・ノット・ミー、イッツ・ユー

イッツ・ノット・ミー、イッツ・ユー


 遅ればせながらリリー・アレンの新作はいい。
 前作より圧倒的に音が洗礼されていて、ポップスとしてとても耳馴染みがいい。ハンドメイド感があってごちゃごちゃっとした前作も勿論好きだけど、別次元の良さがある。春めいて来た日差しに、全体的にナチュラルな質感のトラックもグッド。リードシングルの「ザ・フィアー」、ストリングを用いた「アイ・クッド・セイ」がお気に入り。

 また、リアル・ビッチと化してしまったブリトニーやエイミー・ワインハウス等に比べ、お転婆の域を脱しないギリギリのポジションで意見するリリー・アレンという立ち位置もいい。

 世間を鼻で笑うシニカルさの反面、精神的に追いつめられたらすぐ泣き出しそうな少女感・・。そう、私が女性アーティストを書く時は、いつもこういったおかしな視点で話がまとまる。自粛したい。