フジファブリック

 「CHRONICLE」。サウンドはパワフルで上っ面装ってる感じだったけど、メッセージはいつにも増してリリカルだったしナイーブだった。あのアルバムが集大成だという意見も聞くけど、正直な話し、迷作だったんじゃないかって思う。あのアルバムに関して、個人的には。
だから次を聞きたかったし、次の次だって聞きたかった。これをしっかり受け止めて、次を聞きたかったのに・・。


 胸の中に真っ暗な部分があった、なんとか解決しようとしてる途中だった、っていうアルバムだと思ってる。だから、あんなに実直に「誰か僕の心の中を見て、見て、見て」なんて歌ってたんだって。
 ナイーブな気持ちを抱えたまま、解決の糸口を掴めぬまま志村氏は逝ってしまったのであれば、それはとても残念だ。
結局人生の内に、この鬱積した思いを解決出来ないパターンがあるんだとしたら、それはとても残念だ。


 しかし、そもそも今回の件は、フジファブリックが背負うべきシナリオじゃないよな。長いトンネルを抜けたバンドが、次作で底抜けに明るい集大成をこしらえて大団円。そういう筋書きでよかったじゃない。